機能回復期の1週間の記録です。
東京バレエ団の樋口祐輝です。
前回の記事(ギプスを外した日まで—足首靭帯損傷からの7日間)では、受傷からギプスオフまでのDay 1〜7を書きました。
今回は、ギプスが外れてからのDay 8〜14、機能回復期の最初の1週間です。
Day 8(4/29):熱感が戻ってきた
ギプスが外れてテーピングになった、その翌日。
朝起きたら、足首がちょっと熱を持っていました。
Day 7では引いていた熱感が、また戻ってきている。
「動かし始めたから炎症が戻ったのかな」と、ちょっと不安になりました。
でも、ここで止まっていても仕方ない。
上半身と体幹でも鍛えるか!!と思って、この日は倒立を入れました。
そんな気持ちで動いていました。
治療院では、ハイボルトを腸腰筋と足首にあててもらいました。
ほんとに痛い。汗が出るくらい。
けど、終わると可動域が広がっている。
「効いてる証拠です」と言われて、いてぇーー!と言いながら耐えてました笑
Day 9(4/30):熱感が消えていた

朝起きたら、熱感が消えていました。一晩で。
それだけじゃなく、Day 7の頃にひどかった足先のむくみ(押すと跡がつくレベルだったあれ)も、ほぼなくなっていました。
足の指が動かしやすい——これがすごく嬉しかった。
エクササイズも一気に増やしました。
上肢のテンポプッシュアップ+立甲、フィンガープッシュアップまで。
そして、この日、Stage Partnerというアプリの開発を始めました。
バレエ教室や大人バレエの方が、男性パートナーを探すのに何か便利にできることはないかな?と考えて、特に僕が鹿児島出身ということもありこういう機能あったら便利そうだなと思い立って作り始めました。
「いつもお願いしている方が捕まらない」「繋がりがないと探せない」「新しいゲストの方にお願いしてみたい」——そんな声を解決できるWebサービスです。
動けないこの時間を、自分の事業の開発時間に変える。
これがこの1週間の隠れたテーマでした。
Day 10(5/1):バレエ団まで歩けた

Day 10、初めてバレエ団まで徒歩で行きました。
「松葉杖をついて公園まで」がDay 4。
「歩くと痛い」がDay 8。
それが、ここまででだいぶ回復してきてリハビリがてらバレエ団まで歩けるところまで来ました。
団に着いて、みんなの顔を見た瞬間、不思議と元気になったんです。
怪我で休んでいると、自分一人で部屋に閉じこもっている感覚になりがちなんですが、人と会うって、それだけで力をもらえるんだなと改めて思いました。
みんな元気そうで、元気をもらえました。
シンプルだけど、これが正直な感想です。
エクササイズは、この日は完全休息日にしました。
長距離を歩いたので、無理しないで休む。
「やる日」と「休む日」のメリハリ、は大事だなと感じました。
ちなみに、この日の夜、1時間にトイレ8回行く夢を見て起きました(笑)
朝起きて速攻トイレに駆け込みました。セーフーーー
Day 11(5/2):「気にならない」レベルへ
Day 11は治療日。安定のハイボルト、安定の痛さ。
ただ、この日初めて、ハイボルトの効果をはっきり感じました。
治療前は、歩く時にアキレス腱が痛んだり、足首の詰まりで歩きづらかった。
それが、ハイボルトのあとには可動域が広がって、歩きやすくなる。
痛い治療と引き換えに、確実に何かが進んでいる感じがあります。
そして、何より大きかったのは——
これ、書きながらちょっと感動しています。
Day 1の「足をつくと痛い」から、Day 11の「気にならない」まで、たった11日。
身体って本当によくできてるなと、素直に思います。
ただ、つま先を伸ばすや背屈はまだ硬いまま。
バレエのプリエやルルベには、これが必須です。
なので、見た目は普通でも、復帰まではあとちょっとかな。
Day 12(5/3):ハイボルトを卒業した日

Day 12、これが今週の最大の節目でした。
治療院の方からこう言われたんです。
足首にハイボルトはもう当てなくていいかもね。超音波で治療していくだけでいいかも。
ハイボルト卒業しました。
回復のフェーズが、また一段上がった感じがしました。
足首のハイボルトの時間が空いたので、肩にハイボルトをしてもらいました。
実は、肩の可動域が前から気になっていたんです。
けど、忙しくてケアできずにいました。
これを機に気になるところは治していこう。
Day 13(5/4):「人生の脚本家は誰か」

Day 13、朝、いつもの朝ご飯を食べて、本を読んでいました。
その中で、こんな言葉に出会いました。
「あなたの人生の脚本家は、誰ですか?」
脚本を書くのは、他の誰でもない——あなた自身だ。
この言葉が、深く刺さりました。
正直、今が1番楽しく生きている気がするんです。
ブログを始めた、Stage Partnerの開発を始めた、Montea Miiも進んでいる、怪我のリハビリも順調。
色んなものが同時に動き出している感覚があります。
これって、怪我で動けなくなったから始まったことばかりなんです。
動けるままだったら、舞台や練習で時間がうまって、新しい挑戦は「いつか」になっていたはず。
そんな感覚です。
夢に向かって生きていくのに、年齢は関係ないと思います。
動き出した瞬間に、成功への道は見え始めるはず。
痛みも今日は2〜4まで下がりました。受傷以来、最低の数字です。
そして、この日の夕焼けは綺麗でした!

Day 14(5/5):受傷から2週間、ある美容院で考えたこと
Day 14、受傷から2週間です。
医師から言われた「最短で6週間」のうち、3分の1が経ちました。
この日は、いつもなら近場の美容院で済ます髪のケアを、原宿のインスタで見つけた美容院まで足を伸ばして行ってみました。
怪我の前なら、忙しくてそんな冒険はしなかったはず。
動ける範囲が広がってきた証拠かもしれません。
そこで、思ったこと。
自分の作品を自信を持って届けられる人って、本当に上手い。
カットの腕はもちろんですけど、それ以上に「自分のスタイルへの確信」が伝わってくるんです。
お客さんへの向き合い方、提案の仕方、伝え方——全部が一貫している。
これって、僕らダンサーや指導者にも同じことが言えるなと思いました。
そして、考えて伝えることって、自分の弱点も成長させてくれる。
Y’s Balletの大人クラスを始めて、これからオンラインのパーソナルトレーニングも考えているのでいつになるかはまだ未定ですが準備中です。
来てくれる方々が成長してもらうことで、僕も成長する。
そういう空間を目指していきたい——という方向性が、この日、はっきりしました。
エクササイズも、本格的に再開しました。
ルーマニアンデッドリフトは、足首には強い負荷をかけずに、ハムストリングと臀部を鍛えられるトレーニングです。
「下半身を使う動き」を慎重に再開した日でした。
ただ、まだ無理は禁物。
明日の身体の反応を見ながら、ペースを調整していきます。
そして、明日は降板して出られなかった東京バレエ団のかぐや姫を見にいきます。
普段自分が見る側として客席に座ることはほとんどないので、楽しみです。
この1週間で変わったこと
身体は、こう変わりました。
そして、考え方は、こう変わりました。
並行で動いているのは、
普段の練習・舞台シーズンだったら、こんなに同時にやれなかったはずです。
Day 8〜14 食事記録
食事も少しずつ変化がありました。
修復のための栄養素(タンパク質、コラーゲン、抗炎症食材)はキープしつつ、生活が戻ってきた分、ご褒美的な食事も増えてきています。
Day 8(4/29)
Day 9(4/30)
Day 10(5/1)
Day 11(5/2)
Day 12(5/3)
Day 13(5/4)
Day 14(5/5)
Day 8〜14 エクササイズ記録
動ける範囲が広がるにつれて、メニューも一気に増えました。
ただ、足首に直接負荷をかけるものは慎重に。
基本は「足首以外を全部鍛える」方針で、戻ってきた時に身体全体が落ちていない状態を目指していました。
Day 8(4/29)
Day 9(4/30)
Day 10(5/1)
Day 11(5/2)
Day 12(5/3)
Day 13(5/4)
Day 14(5/5)
これからのこと
機能回復期の前半は、これでほぼ終わりました。残るのは、
- 超音波治療を続ける
- 背屈の可動域を取り戻す(プリエ・ルルベに必要)
- 段階的にバレエ動作に戻していく
- 最後にバーレッスン復帰
医師に言われた「最短で6週間」まで、あと4週間。
けど、この勢いだと、それより早く戻れそうな気がしています。
もちろん、焦って動かしすぎたら再受傷というリスクは常にある。
「早く復帰したい」と「焦らない」のバランス、これからも意識していきます。
このブログでは、これからもこの怪我の経過を、節目ごとに記録していきます。
次はDay 15〜30(受傷から1ヶ月)の節目で更新予定。完全復帰の日まで、よかったら続きを読んでもらえたら嬉しいです。
そして、もしこの記事を読んでいる方の中で、怪我や病気で動けない時間を過ごしている人がいたら、伝えたいことがあります。
僕の経験が、ヒントの一つになれば嬉しいです。
Yuki Higuchi Lab


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