Y’s Balletを立ち上げた理由

大人からのバレエ

Y’s Balletを立ち上げた理由を書きます。

「よかったら来てみてください」と言うだけでは何も伝わらないと思っていて。

なぜこの場所を作ったのか、続けてきてどういうことがわかってきたのか、正直に話しておきたいと思って書くことにしました。


まず、僕のことを知らない人のために

東京バレエ団でソリストをしています。

プロ歴は10年ほど。

クラシックのレパートリー、ベジャールの『ボレロ』や『ロミオとジュリエット』『春の祭典』、クランコ、ノイマイヤー、キリアンといった振付家の作品に出演してきました。

Y’s Balletに来てくださる方に、背景をまず知っておいてほしい。

現役で踊りながらスタジオを運営しているので、バレエ団のスケジュールが詰まると正直しんどいこともあります。

そのあたりも後で話します。


なぜ大人バレエのスタジオを作ったのか

動機の核を一言で言うと、「初めての舞台に挑戦する人を応援したかった」からです。

バレエを長くやってきて思うのは、舞台に立つことの特別さです。

それはプロでも、始めたばかりの大人の方でも、根っこの部分は同じだと思っている。

大人からバレエを始めた方が、技術を積み重ねて、パドドゥ(男女ペアで踊る技術)を学んで、いつか舞台に立てる。

そういう場所を作りたかった。

舞台に出たことがない人でも挑戦できるような知識を、少しずつ届けていけたら、という気持ちでオープンスタジオを始めました。

発表会や本番の場というのは、レッスンとは全然違う空気があります。

その経験をできる限り多くの方にしてほしいという思いは、今も変わっていません。


並行してやることの、大変さ

Y’s Balletを始めた頃、正直なところスケジュール調整がかなり大変でした。

バレエ団の本番や稽古、地方公演、外部の仕事。

どれも大切で、どれも優先度を下げるわけにはいかない。

そこにスタジオ運営が加わるので、頭の中で常に複数のことが動いている状態でした。

スタジオ探しも思った以上に苦労しました。

自分でレンタルスタジオを探すなんて、普段はしないことですから。

広さはどのくらい必要か、アクセスはどうか。慣れない手続きをひとつひとつやっていった感じです。

今でもスケジュールが重なることはあります。

でも、それもY’s Balletを続けていく上での一部だと思っています。


満員でも、ずっと模索していること

ありがたいことに、最初のオープンから初回レッスンは満員でした。

来てくださった皆さんには本当に感謝しています。

ただ、それで自信がついたかというと、そうでもなくて。

ずっとわからないまま続けていることが、大きく2つあります。

  • 告知と宣伝:バレエ団で10年踊ってきましたが、自分から何かを宣伝するという経験がほとんどなかった。SNSにどう投稿すればいいか、どんな言葉を使えば伝わるか、今もよくわかっていない部分があります。
  • レッスン内での言語化:自分の中では「こういう動きにしてほしい」「ここが大事」という感覚は持っているつもりなのですが、来てくれる方に伝わる言葉で言えているかどうか、毎回考えています。「なんとなくわかる」より、もっとはっきり伝わる言い方ができるはずだと思っていて。

指導の言葉って、踊ることとは別の技術なんですよね。

どう伝えれば外向きに届くか、どう言えばレッスン内でわかってもらえるか。

この2つは今もずっと模索中です。

きれいな成功話だけを書くのは、なんか違うと思っているので、正直に書いておきたかった。


続けてきて、生徒さんから教わったこと

Y’s Balletを続けてきて、生徒さんから学んだことがあります。

来てくださる皆さんの成長を間近で見ていると、毎回気づかされることがあります。

こちらの意図をくみ取ろうとしてくれる姿勢、真面目に取り組む姿。

そこから学ばせていただくことや大きく影響を受けることもたくさんあります。

「もっといいアドバイスができるようになりたい」と思うようになったのは、生徒さんの真剣さを見てからです。

それがあって、身体のことをもっとちゃんと勉強しようと思い始めました。

今年(2026年)の4月に足首の靭帯を損傷したことも、結果的に身体のことを学び直す機会になっています(その記録は別の連載記事に書いています)。

もうひとつ、来てくださる方の傾向として感じるのは、「年齢に関係なく、学ぶ意欲がある方が多い」ということです。

指導する先生の話を待っている間も自分から聞きに行って、実際に動いてみる。そういう方たちが多い。

レッスン中、雑談で進まなくなる時もたまにあります(笑)。

でも、それも含めて、楽しく学んでいる雰囲気があります。

来てくれる皆さんの顔を見るのが、一番うれしいし、一番大切にしているところかもしれない。


Y’s Balletで目指していること

「パドドゥのここがわからない、を気軽に質問できる場」を目指しています。

パドドゥは男女でペアを組んで踊る技術で、教える側にも受け取る側にも、ある程度の専門性が必要です。

大人の方が「少し上を目指したい」と思った時に、気軽に聞ける場所があってほしい。

そういう場所を作りたいと思っていました。

今やっているクラスの中で、特に気に入っているのが「作品クラス」です。

何回かのレッスンをかけて、一つの作品を仕上げていくクラスです。

「一度踊ってみたかった曲がある」「この作品が好きで、でも今まで踊る機会がなかった」そういう方が、気軽に挑戦できる環境を作りたいと思ってつくりました。

今は『眠れる森の美女』を取り上げています。

最近は「トレーニングクラス」も始めました。

踊る上での体幹の使い方、身体の連動の仕方を、より細かく学べるクラスです。

踊る動きとトレーニングをつなげて理解できると、レッスン自体が楽しくなるんです。

これは自分自身のリハビリ経験とも重なっています。


もし、気になっているなら

「大人からでも、ちゃんとバレエを学べるのかな」と思っている方に伝えたいのは、Y’s Balletは初心者を歓迎しているということです。

丁寧に教える環境を作っています。

ただ、「上達を保証します」とか「絶対に上手くなれます」という言い方はしたくない。

バレエは地道に続けるもので、どのくらい上達するかは人によって違います。

僕にできるのは、正しい方向を示すことと、安心して学べる場所を用意することです。

「一度来てみるのも楽しいと思う」というのが、正直な気持ちです。

詳細や日程は、LINE公式アカウントからご確認ください。


関連記事

この記事でも少し触れましたが、2026年4月に足首靭帯損傷を経験しました。

その記録とリハビリの過程を連載にまとめています。身体のことが気になる方はこちらもどうぞ。

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